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為替イブニング海外市場2024年12月9日

2024年12月09日
(コラム執筆時間:19時41分)

鈴木予想レンジ

※コラム執筆時点における、筆者の予想レンジです。

通貨ペア予想レンジ
ドル円149.50~151.00
ユーロ円158.00~159.80
ユーロドル1.0480~1.0630
豪ドル円96.00~97.80
相場状況の振り返りと今後の展開予想

今朝方、日本の第3四半期実質GDPが発表された。1.2%と上方修正されており、基本的には来週の日銀金融決定化合において利上げを支援する材料となっている。反面、FOMCにおける利下げ志向も根強いものの、堅調な米経済動向から一旦利下げは先送りされる可能性も強く、依然として米金利の優位性を睨んだ相場展開を余儀なくされている。このためドル円は150円台半ば前後まで買われているが、ただ従来の円キャリートレード的な円安・ドル高が再燃する可能性は低く、さらなる上昇局面では戻り売りに転じることが無難であろう。そんな中、市場では潜在的な仏政局不安や中国経済のデフォルトリスク、そしてシリアにおけるアサド独裁体制崩壊など、新たな売買材料が浮上しており、相対的に焦点が絞りにくい情勢に直面している。いずれにしても、来週の日米金融政策動向次第の感が強く、基本的には相場が大きく動意づくまでは静観が正解であろう。

一方、ドル円は相対的に調整モードを強めているが、政府日銀が円安の副作用に警戒感を強めており、過度な円売りトライは慎重になっている。反面、日米金利差拡大期待も同時発生しており、安易にどちらにも仕掛けづらい外部環境にある。引き続きレンジ幅ドル円149.50~151.00円を重視し、同レベル前後からナンピン売買で対応することが賢明であろう。

他方、ユーロドルはECBの利下げ観測が先行しており、拙速的な上値トライは慎重になっている。ただ1.05割れ段階では割安感による買い戻しの動きも散見されるなど、依然として調整主導の展開を強いられている。引き続きレンジ幅ユーロドル1.0480~1.0630重視し、同レベル前後からナンピン売買で対応することが賢明であろう。

●戦略的には、ドル円は前述したレンジ幅を重視し、149円台半ば前後から押し目買いと共に、151円前後からナンピン売りで待機することを勧める。一方、ユーロドルは1.05割れから押し目買いと共に、1.06台半ば前後からナンピン売りで待機することを勧める。

●邦銀勢によれば、日銀の利上げ方針がやや燻っており、ジリジリと円安が進行している。輸出企業は今朝と同様に、ドル円151円台を視野に、同レベル前後からナンピン売りで待機姿勢を強めている模様。一方、輸入企業は149円前後を中心に、149円台半ば前後から少なめの押し目買いで対応している模様。

●海外勢によれば、方向感に乏しい中、調整色を強めている。ただECBの利下げ観測を踏まえて戻り売りを重視しており、拙速的な上値トライは慎重になっている。現状では今朝と同様に、ユーロドル1.06台半ば前後からナンピン売りと共に、1.05前後から押し目買いで待機姿勢を強めている模様。

●クロス円は、ドル円149円台半ば前後ではロング、151円前後ではショートをイメージし、ユーロ円は158円前後から押し目買いと共に、160円前後からナンピン売りで待機することを勧める。一方、豪ドル円は96円前後から押し目買いと共に、97円台半ば前後からナンピン売りで待機することを勧める。

市場ストップロス・オーダー状況
通貨売り買い
ドル円148.80151.50
ユーロ円157.30160.30
ユーロドル1.04301.0680
豪ドル円94.5098.30

※筆者の独自取材による、国内機関投資家などからのストップロス・オーダーが多く出ているラインです。
新規注文の際や、保有ポジションの見直しを計るうえでの参考のひとつにしてください。

トレード実績

筆者の個人的なトレードによる収支実績及び売買予定を公開しています。
※文中の記号・略語については巻末の解説をご参照ください。

市場のストップロス・オーダー状況
通貨売り買い
ドル円148.80151.50
ユーロ円157.30160.30
ユーロドル1.04301.0680
豪ドル円94.5098.30
現在のポジション
No position
前日のSL実行ポジション
豪ドル円ロング50,000★▼
2024年12月収支経過(02~09日)
通貨プラスマイナス前日比
ドル円+¥100,000+¥50,000
ユーロ円-¥5,000+¥25,000
ユーロドル+¥39,400(+$250)
豪ドル円-¥45,000+¥10,000
前日の売買 東京市場
出来ず Nothing done
前日の売買 海外市場
ドル円買い50,000☆149.50(SL148.90売り)
ユーロ円買い50,000★△158.50(159.00ショートカバー)+¥25,000
豪ドル円買い50,000☆96.00(SL95.40売り)
本日の売買&予定 東京市場
ドル円売り50,000☆△150.50(149.50ロングカバー)+¥50,000
ドル円買い50,000149.00(SL148.50売り)
ユーロ円売り50,000159.30(SL160.00買い)
ユーロ円買い50,000157.50(SL156.80売り)
ユーロドル売り50,0001.0630(SL1.0680買い)
ユーロドル買い50,0001.0480(SL1.0420売り)
豪ドル円売り100,000☆△96.50(96.00ロングカバー)+¥25,000
豪ドル円買い50,00095.00(SL94.50売り)
本日の売買予定 海外市場
ドル円売り50,000151.00(SL151.50買い)
ドル円買い50,000149.50(SL148.80売り)
ユーロ円売り50,000159.80(SL160.30買い)
ユーロ円買い50,000158.00(SL157.40売り)
ユーロドル売り50,0001.0630(SL1.0680買い)
ユーロドル買い50,0001.0480(SL1.0430売り)
豪ドル円売り100,00097.80(SL98.30買い)
豪ドル円買い50,00096.00(SL95.40売り)
記号・略称解説

ロング=買い、ショート=売り
△=プラス、▼=マイナス
☆新規、★実行済み
SL=損失確定(Stop Loss)
TP=利益確定(Take Profit)

本レポートは朝夕2回配信。土日及び祝祭日は無配信のためSLのみ提示。
指値注文タイムリミット:東京市場 17:00、海外市場 5:00(日本時間)
SL/TPは最大100pips前後を目処に実施。最終のご判断は自己責任にてお願いいたします。

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プロフィール

  • 著者近影 鈴木郁雄(すずきいくお)
    フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネラル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず、デリバティブなどマネー部門を統括。 2001年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーと 親密に情報交換し、投資家心理を交えて独自の分析に定評がある。

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